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「CODA あいのうた」について

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現在公開中の映画「CODA あいのうた」

第94回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門でノミネートされましたね。

まだ2月ですが、今年のNO.1に挙げたい!くらいの秀作です。

 

豊かな自然に恵まれた海のまちで暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中でただ一人だけ耳が聞こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から通訳となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブを選択するルビー。すると顧問の先生がルビーの歌の才能に気付き、名門バークリー音楽大学の受験を強く勧める。。。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず大反対。。。ところが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし。。。というストーリー。

 

このCODAというタイトルですが、ダブルミーニングになっています。
一つめはChild of Deaf Adultsの略語で聴覚障害の親をもつ子供、という意味。もう一つは音楽記号のコーダで、楽曲や楽章の終わり、曲中の大段落の締めを表す記号ですね。つまり、新たな章の始まり、という意味もあります。

主人公ルビーと家族の人生にとって、新しい章が始まるのでしょうか。。。


見どころですか? 全部です。笑

敢えていうならば。。。二つ。


1、主人公ルビーを演じるエミリア・ジョーンズ、とにかく歌がうまい。

それを聞くだけでも価値のある映画ですが、歌を通して広がるストーリーが素晴らしい。聴覚障害者をテーマにした映画ではありますが、それがメインではなく、あくまでも「歌と家族」を描いた作品です。

 

2、家族愛

4人家族の中で一人だけ耳が聞こえるという、言うなればヤングケアラーの主人公ルビー。彼女は生まれながらにして大きなものを背負っているんですよね。家族の支えになろうと懸命に生きているけれど、自分の夢もある。。。家族のために生きるのか、自分の夢を追い求めるのか。。。と揺れ動くルビー。そのルビーの気持ちを理解しようする家族。。。ぶつかりあいながらも寄り添い、とっても温かい。。。

 

他に注目ポイントというと、聴覚障害者の視点を疑似体験できるシーンがありまして、ルビーが参加している合唱部の発表会のシーンでの演出です。ネタバレになるのでここで詳しくお話しできませんが、耳が不自由なルビーの両親と兄がどんな状況でルビーの歌声を聞いているのかを体感できるシーンです。思わず息を飲むシーンで、とても印象的でした。

 

最後のほうでルビーが父親に歌を聞かせてあげるシーンがありますが、そこは、多分、一生ものくらいに、記憶に残る場面でした。

 

耳の聞こえない家族を演じた俳優陣は全て、本当に耳が聞こえない俳優です。それぞれのキャラクターがとても魅力的で、表現力もさることながら、手話やボディランゲージで伝えようとする力の大きさ。。。気持ちを伝えるって、お互い向き合うことなんだと。。。

 

お父さん役を演じたトロイ・コッツァーは

聴覚障害者の俳優として、アカデミー歴史上初の助演男優賞にノミネート。

受賞に期待!

発表は米国時間3月27日。楽しみですね。