ブラックミュージックはお好きですか?
お好きです。笑
私の愛聴盤をご紹介させてくださいね。
今回はボビー・ウーマック。言わずと知れたソウルジャイアンツの一人ですね。
私がボビー・ウーマックを知ったきっかけは、もう30年以上前になりますが大学生だった頃。「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」を執筆された山田詠美さんが何かのコラムだったかな。。。ボビー・ウーマックの歌声を「納豆ソウル」と表現されていて
ネバネバなんだ。。。どう粘っているんだろ。。。
と興味を持ったのが最初で、そこからボビー・ウーマックの作品を遡って聴くようになりました。確かに「納豆ソウル」という表現は言い得て妙で、粘りだけでなく、神聖な魂の叫びを感じます。。。
1944年生まれのボビー・ウーマック。2014年、70歳でお亡くなりになりましたが、その人生は、まさに変遷と波乱に満ちたものでした。
あらためて、かいつまんでご紹介しますと。。。
10歳でデビュー。サムクックの目に止まり、彼のレーベルと契約。サムは自身のバンドのギタリストとしてボビーを採用。60年代から70年代にかけてはギタリストとして活躍。「110番街交差点」や「ザ・ポエット」「ザ・ポエット2」などヒットアルバムをリリースしましたが、ドラッグ、アルコールが手放せず、またプライベートでも悲劇が続き、80年代以降はしばらく表舞台から距離を置いていたようです。。。
そんな天国も地獄も体験した稀代のソウル・シンガー、ボビー・ウーマックが1994年以来、実に18年ぶりに新譜が出る、と耳にしたのが2012年。。。今から10年前です。。。その間、クリスマスアルバムはリリースしていましたが、スタジオアルバムとして18年ぶりで、あの粘りのある魂の歌声がまた聴ける。。。
それはもう、嬉しかったですね。
その高まる期待を裏切ることなく、18年というブランクを全く感じさせず、しかも、さらに進化を遂げていました。
プロデュースはブラーやゴリラズで知られるデーモン・アルバーンとXLレコーディングスのオーナー、リチャード・ラッセル。彼らがボビー・ウーマックをその気にさせてくれたのもファンとしてはありがたいことですが、その自分より若い二人が提案する実験的なエレクトロニカ・サウンドを全面的に受け入れ、それをさらなる高みへと昇華させるという、ボビーの音楽に対する柔軟性や自由度の高さ。かっこいい。
歳を重ねるといろんな意味で頑固になりがち。。。
「めっちゃ年下の後輩とかにもすかれるような人でいたい
なるべく多くの関係者たちに惜しまれながら死にたい」の歌詞が沁みる。。。
こんな風に、年を重ねたいものです。笑
ボビー・ウーマックに話を戻して
ボビーはこのアルバムに対して「人生で最高のアルバムができた、酒もドラッグも抜きで作ったはじめてのレコードだよ」と話しています。
奇しくもボビー・ウーマックの遺作となってしまったアルバム「the baravest man in the universe」より、タイトルトラック。。。
全人類でもっとも勇敢な男とは、
先に、許したやつなんだ。。。と歌い始める
The bravest man in the universe…
また次回もゆるりとお付き合いいただければ。。。